「頭の中でいつも、次にやることを考えてしまう」忙しいアナタのための大事な回復方法

こんにちは、やすはら鍼灸院です。

11月に入ってまだ一週間ですが、スーパーにいくとおせちの案内や、

年賀状のチラシがあり、「もう年末」感をひしひしと感じます。

慌ただしい年の終わりも、日本の風物詩ですね。

患者さんからも

「換気扇の掃除、なかなか汚れが取れなくて頑張らなきゃ」

とか、

「家に帰ったらカーテンの洗濯しようと思います」

とか、年末にむけて張り切った意見も聞きます。

でもこれ残念なことに、治療中の会話なんですよ・・。

リラックスしているはずの時間でも、頭の中でつい、次にやることを考えている。

それをいうと

「そうなんですよね~、リラックスしたいと思ってるんだけど、つい考えちゃって・・」

と苦笑される方は多いです。

忙しい年の暮れにむけて頑張るのはいいですが、

大前提として「仕事をこなす元気」があってこそ。

「2022年を無事終えるためにやっておくこと」にも書きましたが、体調管理はしっかりできていますか?

それにしても年末年始は、やることが多いです。

マルチタスクは女性が得意、なんて話もありましたが、

これは単なる都市伝説で、男性、女性の性差はないそう。

人間の場合はAIと違って、いろんなことを並行して複数考えているようでも、

実は切り替えが早いだけで、一瞬一瞬で考えていることは一つだけなのだそうです。

私の母は、

「新聞読もう、ついでにお茶を入れよう」と立ち上がったついでに、

ふと目についた観葉植物をみて、

「水をやらなきゃ」と流しに観葉植物を運び、と思いきや突然、

「どうせだから植え替えしようか」と新聞を広げて土を出しはじめ、

「あ、水もやるんだった」と思い出して流しに行き、

「皿を片付けんと水をやれん」と皿洗いをしかけたところへ、

「ピンポーン」と宅急便がきて、

新聞と茶筒と植物の片づけと皿あらいの残骸を放置したまま、

受け取りに出ていく後ろ姿に唖然とさせられたものですが(*_*;

この場合は段取りや切り替えでもなんでもない、ただ目の前しか見ていません(笑)

松岡修造さんに「考えるな、感じろ!」と脳内で叫ばれたのと同じ(´Д`)

母のように効率など考えず、日々を楽しく過ごせるならそれでよいのですが、

こんな風にしたくても(?)できない人もいるのです。

働いている方が調子がいい体質?

東洋医学では五臓の働きがそれぞれありますが、

頭を使うエネルギーは「肝」の働きです。

肝の気が滞らずのびやかに働き、全身にめぐり情動が安定している、

「肝」体質の人は、多少忙しいくらいが体調がよいのです。

つまり、根っからの働き者なんですね。

几帳面に器用に、せっせと仕事をこなす働き者さんばかりならよいのですが、

むろん、こんな体質の人ばかりではありません。

のんびりさんや、私のように怠け者体質の人だっています。

頭の中で常に、次やることを考えても結果が思い通りにならず、

落ち込んだり、イライラしやすい頑張りすぎ屋さんもいます。

クセや性格のように、体質はなかなか変えられないものですが、

いくら動いている方が調子が良いといっても、過度に働き過ぎてはいけません。

「肝」の働きが過ぎると、気血が消耗して少なくなったり、

気血の流れが滞るせいで情動が安定せず、

不眠や肩こり、のぼせや耳鳴りなど、様々な症状が出ます。

こんな時はどうすれば早く回復できるのでしょうか?

①まず「自分は疲れている」としっかり知ること

こんな人の回復法は、「自分が疲れている」ことをしっかり意識することです。

「オーバーヒートしてます、休んでください」

といっても、

「全然頑張ってない、むしろ休んでるんですが」

「家ではゴロゴロしてるんですけど」

と否定されるんですが、よくよく話を聞いてみると、

・横になっても、別のことが気になりすぐ起きる

・ゴロゴロしているはずが、頭の中では常に考えている

・家事や仕事に対して、求める基準が異様に高い

・「母がよく働く人で」と、子供の頃から”休まない英才教育”を受けている

・どう休めばいいのかわからない

・「体がつらいのは体力が足りないから」と、疲れてるのに更に運動してしまう

などなど、生真面目な人が多いんですね。

「眠りが浅くて、寝ても全然休んだ気がしない。

むしろ体を動かしている方が気がまぎれる」

という方もいますが、これは寝るための体力まで削ってるんですよ。

ここまでくると近いうちにダウンするでしょうし、

回復にも時間がかかり、年末年始どころではありません。

まずは「自分は疲れているんだ」としっかり理解し、認識すること。

そこからが、体調回復にむけての第一歩です。

②感情や情動を満たすことを優先する

肝が弱っている人には、「感情面からのアプローチ」が効果的です。

音楽をきいて自然と涙があふれてきたり、

いつも見ている景色に不意に胸を打たれたり、

ふとした瞬間に思わず笑ってしまったり、

心の底から気持ちが動くと、滞っていた気がめぐり、肝の働きが回復します。

私の師匠は

「歌ったり踊ったり、”ああ楽しいな、気分いいな”と情動を満たすこと」

と言ってましたが、喜怒哀楽の中でも「喜」は難しいですね。

疲れすぎている時はどうしても、考えが固執して負のループに留まりがちですが、

気持ちが喜ぶことで、緊張がほどけて気が動き、笑うことで血がめぐります。

情動の働きが、回復のために必要なのです。

仕事のできる人ほど休み方もうまいといいますが、感情の切り替えが上手です。

家で横になっても休めない人は、感情面への刺激を求めて、外出する方が良いのかも。

一時「涙活」という、泣いてストレスを発散することがはやりましたが、

無理に感情を「哀」に動かしても、後で疲れたり、ブルーな気持ちを引きずったりします。

なので、忙しさに我を忘れている人は、心が喜ぶことに気持ちを向けましょう。

難しく考える必要はありません。

鼻歌を歌ったり、気がめぐりやすいよう、軽くストレッチをしたり。

丁度季節は秋真っ盛り、芸術の秋、食欲の秋、スポーツの秋。

五感を解放して感性が喜ぶよう、情動を満たしてください。

そうすることで、また明日からのエネルギーが生まれます。

いつもと違うループから脱出しませんか?

頑張らない、を頑張って無事の年末年始を過ごすべし!

色々と書きましたが、いつも先のことを考え続け、疲れている方の参考になれば幸いです。

女性は真面目で頑張り屋さんが多いですが、

先のことを考えるあまり、自分のことを後回しにする傾向があります。

家庭に仕事に、いろんなことを考えている今のアナタが、ちょっと一息ついて、

消耗している気血を回復させ、無事に年末年始を過ごせるよう願っています。

ハリとお灸も、気血のめぐりをよくして、肝を回復させるのに有効ですよ。

2023年をパワー!で気分よくスタートさせたい方、

今を乗り切りたい方、無事の年越しを迎えたい方は、いつでもご相談ください。

「頑張らない」を頑張って、11月を過ごしましょうね!(^^)!

それでは、また来週!