更年期のつらい肩こりを楽にする正しい方法

こんにちは、やすはら鍼灸院です。

更年期障害を訴える患者さんの悩みは様々ですが、代表的なものは、この3つです。

・肩こり

・気分のおちこみ

・疲れやすい

この中でもっとも治しにくいのが肩こりです。

少しでも肩こりを楽にするために、できることを書いてみました。

なぜ肩こりは治りにくいのか?

肩こりが治りにくい最大の原因は、

「肩がこる生活を毎日おくっているから」

日常生活で肩こりになる要素がたくさんあり、

それらをすぐには変えられないからです。

次のような原因が重なって肩こりになりますが、

若い世代に比べて更年期世代は、負担が更に大きいです。

・仕事や日常生活のストレスが大きい

・PCやスマホで首や肩、目の負担が長時間続く

・精神的なストレスでカラダが緊張する

負担が大きくなる理由として、次の3つがあります。

1.介護や育児、仕事、介護など日常のストレスが大きい

2.40代~50代は筋力が落ち、姿勢に負担がかかりやすい

3.不安や落ち込み、イライラなど負の感情を感じて、カラダと気持ちが休まらない

さらに、更年期はカラダを安定させる女性ホルモンの働きが減ります。

体調が不安定だと、ストレスや不安も大きく、肩こりがさらにつらく感じるのです。

肩こりを楽にする正しい対処法

自分の肩こりタイプを調べましょう。

次のチェック項目に当てはまる数が多い方の対処法をみてください。

〇チェック1

・眼精疲労がある
・首や肩がガチガチに固い
・コメカミがズキズキする、頭痛が起きやすい
・イライラやのぼせを感じる
・ストレスが大きく、緊張が続いている
・睡眠時間が短く、パッと目が醒める

→エネルギーの流れが詰まって肩こりになる「気滞」タイプ

〇チェック2

・常に肩が重い
・息苦しさがある
・疲れやすい
・気分が落ち込んだり、どんよりしやすい
・眠りがあさく、夜中に何度か目が覚める
・冷えを感じやすい

→エネルギー量がそもそも少ないため肩こりになる「気虚」タイプ

チェック1:気滞タイプの対処法

気が滞っているのですから、気の流れをスムーズにすれば解決します。

・運動で血行をあげ、詰まった流れを解消する

・集中や、緊張した状態を切り替えて、気分転換をする

・首や肩回りを動かし、こった筋肉をマッサージしてほぐす

これらの方法で、詰まっていた気が流れると、重い肩こりが楽になります。

チェック2:気虚タイプの対処法

エネルギーの流れが少なく、強い刺激をうけると逆にカラダが疲れます。

そのため、過度の負担をかけないことが大事です。

・気の流れがよくなるよう、首や肩をゆっくり温める

・ストレッチや瞑想、リラックスで呼吸を深くし、気の流れをよくする

・さする、撫でるなど心地いい刺激をメインに、足の血行をよくする

温めと共に心地よさを感じることで、全身に気が流れ、肩こりの回復も早まります。

このように「気滞」タイプの肩こりと、「気虚」タイプの肩こりは、対処法が違います。

ただ、人のカラダは常に同じではありません。

ストレスやイライラで「気滞」なときもあれば、

疲労が続き、睡眠不足で「気虚」なときもある。

気滞タイプ、気虚タイプの違いは、生活と大きく結びついています。

仕事中はとても肩がこる、ある40代女性のお話

あるデザイン会社にお勤めの女性患者さんの話ですが、

この方は、仕事中はものすごく肩がこるそうです。

疲れすぎて首や肩のコリがひどくなると、食欲もなくなるのだとか。

最初は「気滞」タイプかなと思いました。

でも、お話をうかがっていると、違っていたんですね。

仕事中は頭痛がするほど肩がこるけれど、

趣味をやっている時は全く肩こりを感じないそうです。

ちなみにこの方の趣味は、編み物。

編み物は目も使うし、編んでいる間はずっと同じ姿勢で、背中も肩もすぼまります。

こちらのほうが、気が滞って、よほど肩がこりそうですよね。

でも実際は逆でした。

「編み物に集中して、デザイン考えながら作っていると、

ワクワクして楽しいし、ずっと編んでも苦しくない、肩がこらない。

でも仕事は人とも接しなきゃならないし、どんどん仕事がたまるばかりで、

夕方になると疲れて、肩がこりすぎでつらくなります。

マッサージにいったんですが、強くもまれて、肩がますますだるくなってしまいました」

と仰っていました。

編み物で肩こりを感じないのは、楽しいことをやって、気が流れるからです。

仕事は緊張し、疲労で気が流れなくなる。

ある意味、編み物でストレス発散し、仕事のバランスをとっているのかもしれません。

無理に運動したり、マッサージをしなくても、

この方のように趣味に没頭することで、気の流れがよくなることもあります。

カラダを拝見しましたが、足が冷えて筋肉のハリもなかったこと。

かつ、マッサージにいっても強い刺激で痛くなる、体力が不足している。

ということで、この方は「気虚」タイプとして、施術を行いました。

ハリとお灸で、全身の流れをよくする施術を行ったところ、

「カラダが温かくなった、癒されました」と喜んで帰っていかれました。

このように、患者さんの話をしっかり伺ったうえで、

正しい施術を行うと、肩こりも楽になります。

さて、あなたの肩こりは、気滞タイプ、気虚タイプ、どちらでしょうか?

肩がこる毎日から少しでも楽になるために、正しい対処法を試してくださいね。 

まとめ;肩こりを解消するハリとお灸

では、まとめます。

・肩こりは、気滞タイプ、気虚タイプがある

・肩こりの対処法は気が流れることが大事

・それぞれにあった対処法が必要

更年期世代は、強い肩こりに悩まされる方が本当に多いです。

でも、気の流れがよくなると、肩こりも違ってきます。

肩こりに悩まされないカラダで、気分よく毎日を過ごすこと。

そんな女性が増えてほしいですし、それが、世の中を豊かにすることだと思っています。

鍼灸の世界では「肩こりを治せたら一人前」といわれます。

ガチガチの積もった肩こりが少しでもゆるむように、

全身に良い気が満ちるよう、日々、ハリとお灸をしています。

辛い肩こりでお悩みの方は、ご相談くださいね。