無病息災と一病息災の違いとは?コロナ3年目の冬に思う”病気になる”本当の理由
こんにちは、やすはら鍼灸院です。

風邪をひくことがそんなに悪なの?
先日、近所のドラッグストアで買い物中に、
「コロナの判定キット、診断用は入ってきてないんですよ」
と店員さんが大声で、説明しているのを耳にしました。
私の知人は小さなお子さんが発熱したため病院にいき、
検査結果は陰性だったので胸をなでおろしたそうですが、
ドクターから
「もうすでに世の中は医療崩壊しているよ。
風邪をひくことがそんなに悪なのかね」
と嘆かれたそうです。
検査キットを求めて血眼になり、
風邪を引いた結果次第で、周りに気を使わなければいけない国。
この流れはどうなっていくのでしょうか。
風邪をひくことは誰にでもあり得ること。
人間の受け取り方に問題がある、それだけなのです。

修業時代、インフルエンザで9度の熱があっても出勤を強要され、
「風邪をひくのは自己管理がなってない証拠」
とまで上司に言われたのは、少し前の話。
(ちなみに上司が寝込んだ時、同じセリフを返しましたが無視されました(-_-メ))
自己管理で何とかなるなら、こんな混乱した世の中にはなってません。
今はようやく「風邪をひいたら休む」が周知されてきましたが、
「休む」だけでもまだまだ気を使わねばなりません。
この出来事は20年以上前の話ですが、
頭がカチンコチンの<自己責任>の考えが今もはびこっているから、
日本はいつまでたってもマスク生活から抜け出せないのです。

無病息災という言葉があります。
息災とは、もとは仏の力によって災害・病気など災いを除く意のこと。
つまりは神頼みです。
神様仏様の力で健康で元気に、病無くいさせてというお願いですが、
そもそも病が全くない世の中って、正しいんでしょうか?
風邪をひく、病にかかることっていけないんでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
風邪を引くにもきちんと理由があるのです。
風邪をひいたり、病気になる本当の理由
「風邪の効用」というベストセラーがあります。
作者である野口式整体の野口晴哉は、
「風邪は自然の健康法である。
風邪は治すべきものではない、経過するものである(中略)
自然な経過を乱しさえしなければ、風邪をひいた後は、あたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になる。
大切なのは弾力性、身体のどこかからそれが失われると風邪を引く。
(中略)無理に早く治すと別の部位に負担を掛け、だるさや不調が続く。
全体のバランスを忘れず、風邪を引かない方がむしろ大病を患う危険が高い」
と説いています。
(西洋医学以外の考え方として非常に斬新であり、20年前の本ですが現代でも読まれているベストセラーですので、
興味がある方は是非読んでみて下さい)
風邪をひくことで身体にリセット作用がある、
人の心や生き方をとらえなおすという考え方は、間違っていないように思います。

無病息災と一病息災の違いについて
コロナのおかげで弱い人にしわ寄せがいき、
風邪を引いたと素直に言えなくなった国で、
病にかかると面倒になる「世間」を考え直す必要がある。
世間のリセット作用が必要、そうとらえている人は、あながち少なくないのではないでしょうか。
無病息災にたいして「一病息災」という言葉があります。
これは
「1つくらい病気があった方が、かえって体に気を付けるので健康でいられる、長生きできる」
という意味。
コチラの方が神頼みより現実的ですね。
病になったことで、投げやりになる方もいるかもしれませんが、
大方の人はいくつかの葛藤や逡巡を経て、自分の病と向き合い意味を見出したり、
その後の過ごし方が違ってきたりします。
糖尿病になったことで
「それまでより丁寧な生活を送るようになった。
他の人より長生きするかもしれない」
といった作家さんもいますし、
「入院したことで周囲への感謝が増して、今後においての年齢と人生を考えるようになった」
という人もいます。
「病になるとすべてが不幸で、いいことが何も無い」
とは言い切れません。
病にかかることについて、それまでの生活を改めたり、今後を捉えなおす。
体について改めて向き合う機会となる、その手始めが「風邪をひく」ことではないでしょうか。
そんな気持ちが持てるよう、余裕のある状態でありたいですね。

・・とはいっても、病を得るのはできるだけ避けたいもの。
東洋医学では「未病治」本格的な病になる前に治す、という考え方が主です。
今の身体のつらさが、肉体的にも精神的にも””大きな病”となる前に、早めに治すことを考えて、体に向き合う。
ハリとお灸は「予防の力」を高め、アナタの日常生活を支えて体を底上げします。
一年の終わりを無事締めくくって迎えられるように、
不安や心配のタネは今年中に無くしておきましょう。
東洋医学の考え方と共に、症状をリセットできるよう、お手伝いします。
体の心配をなくして元気になりたい方はご相談くださいね。
それでは、また来週!!