意外と多い、夏場のシビレと対処法
こんにちは、やすはら鍼灸院です。

肌に空気がまとわりつき、不快感が一気に強まる7月。
暑いの苦手・・という方も多いでしょうし、エアコンは欠かせません。
ただ、この時季注意したいのは【夏場のシビレ】です。
誰しも経験があると思いますが、正座から立ち上がった際に感じる、”シビレがきれた足の感覚”。
あのシビレ感が上半身に出るケース、夏場はちょくちょくあります。
これ、結構厄介なんです。
なぜかというと、シビレの内容が
「突然症状が出る」
「シビレの強い不快感が続く」
そして一番の問題は、「日によってシビレの場所が異なる」ケースが多いこと。
夏場は上半身、特に首~肩、上腕に出るケースが多いですが、
日によってしびれる範囲が、広範囲だったり部分的だったりと、”定まらない”ことが多いのです。
病院にいっても「問題ない」とされ、駆け込んでこられる方がほとんど。
このケース、治るまでどうしても時間がかかります。

夏場のシビレは、なぜ起こるのか?
東洋医学的に見ると、シビレは「痺症(ひしょう)」といい、
風邪、寒邪、湿邪、これらのよって気血の流れが阻害された状態をいいます。
風邪は体中を身軽に動き、寒邪は冷え、湿邪は重く流れを停滞させます。
この3つが合わさって体に侵入し、流れが阻害されることで、
場所が定まらない、血が通ってないような、重たいシビレが出るんですね。
シビレを訴える患者さんの身体を拝見すると、
・肌がヒンヤリしている
・もしくは肌がしっとり汗ばみ、冷えている
・睡眠不足やデスクワークなどで体が固くなった
こんなケースが多いです。
仕事中の姿勢が「前かがみ」「俯きぎみ」「巻き肩の姿勢が続く」など、
首と肩に負担がかかるケースが多く、そこに冷えが加わって、
ある日突然、シビレが発生する傾向がみられます。
エアコンの効いた部屋で、長時間スマホやタブレットに向かってませんか?
肩こりを感じている、首肩が重たい‥という方は、冷えすぎないよう気を付けて。

夏場の湿気は「脾」の働き、つまり全身の気血をめぐらせる作用を阻害し、関節に負担がかかります。
手が握りづらい、掴んだ物を落とす、無気力感を感じるなど、もともと手足に力が入りにくいのですが、
その上シビレが出るとなると、日常生活にも影響します。
「手がしびれてるんで、ご飯作れなくて、毎日カレーでヨシ!」
とぼやいていた患者さんもおられました( ;∀;)。
ただ、このシビレ症状の唯一いいところは
「時間や季節が変わると消える」こと。
湿気の夏から、秋風が吹き始め、空気が乾燥する秋になると、
徐々に症状が変わり、軽減するケースが多かったです。
湿邪が減り、冷えすぎず、身体がリラックスすると改善してくるのですが、
それまでずっと待つわけにもいかないので(*_*;
治療にいらした患者さんには、まず全身の疲れを取り、
首や肩のコリをゆるめて、気血が通うよう、
シビレの部分だけでなく、全身を治療します。

ちなみにシビレの治療の頻度や、内容について、コチラにも書いたので、参考までに。
https://www.shinq-compass.jp/salon/case/30651/2729
夏は暑さと冷えの狭間で体力勝負となりますが、
こんな不快な症状とはお付き合いしたくないもの。
日頃の体調管理をしっかり行ってください。
患者さんには治療をしつつ、冷風や直風を患部に浴びない事、
首肩回りはストールやタオルなどでなるべく保護し、
できる範囲でタオルストレッチ、入浴、睡眠をしっかりとって回復を早めることなどもお願します。
夏の肩こりを溜めこまない、そして冷えすぎないように。
体にかかる負担を跳ね返していきましょう。
もし、不快なシビレ感でお悩みの方は、早めにご相談くださいね。
長くなりましたが、それではまた次回!