2回お灸をすえられた、逆子がなおった妊婦さんのお話
こんにちは、やすはら鍼灸院です。
先日、逆子の治療を行った妊婦さんから、無事の出産報告が届きました。
うれしい報告をいただき、ありがたい限りです。
ハリとお灸で新しく生まれてくる命のお役にたてる。
こんな喜びは他にないですね。
逆子の妊婦さんというと、いつも思い出す方がいます。
「2回お灸をすえられた」妊婦さんのお話
修業時代のお話ですが、もう20年以上前になります。
夏の頃、1人の妊婦さんが来られました。
妊娠30週をこえていましたが、「逆子がなおらない」とのご相談。
体型がぽっちゃりした、良く笑う元気な妊婦さんでした。
逆子の治療は足首内側の「三陰交(さんいんこう)」と、足の小指にある「至陰(しいん)」というツボに、お灸をすえます。
<三陰交>
<至陰>
「至陰」にお灸をすえると、お腹の赤ちゃんとお母さんをつなぐ胎盤の血行がよくなり、胎児が動いて、逆子が治ると考えられています。
さっそく上司がお灸をすえましたが、反応はバッチリ。
お腹の赤ちゃんもよく動いていました。
妊婦さんも「カラダがすごく温まりました」と嬉しそう。
上司が「頭の位置が最初と違ってるから、大丈夫だと思うよ」と告げて、治療終了。
「冷えちゃダメよ」とアドバイスして送り出しました。
ですが、そこから2週間後。
「また逆子になっちゃった」と、焦って来られました。
「治療直後の検診では逆子が治ってたんです。
けど、昨日検診にいったら【また戻って逆子になってる】といわれました。
もう一度お灸してください!」
上司が話を聞いていましたが、軽く怒られていました。
なぜなら、生活スタイルの中で「冷え」に対する自覚がなかったから。
前回の治療後、こんなことをやっていたそうです。
・暑いので、床にベッタリ寝てカラダを冷やしている
・エアコンの効いた室内で過ごしていることが多い
・裸足でペタペタ冷えた室内を歩く
・床にすわって、家族と麻雀を長時間やっていた(座布団なし)
「えー、ダメですかあ」と笑っておられた元気な妊婦さん。
が、日常生活で「冷える」がどんなことか、うまく伝わってなかったようです。
大きなお腹で体重も増えて、暑がる気持ちもわかります。
が、カラダを冷やしたり、血行が悪くなる自覚がないのはアウト。
もう一度、文字通りお灸をすえらました。
「次、また逆子に戻ってたら、お灸を熱めにするよ」といわれつつ、治療終了。
その後は来られませんでしたが、しばらくして無事の出産報告を頂きました。
皆で「良かったね」と笑ったことを覚えています。
逆子にも、安産にも役に立つ、偉大な東洋医学の知恵
逆子は自然に治る確率も高いですが、妊娠後期で逆子だと、帝王切開の対応となります。
帝王切開が悪いと言っているわけではありませんよ、悪しからず。
どうしても帝王切開になる赤ちゃんもいます、母子優先は当然です。
帝王切開だと楽だろう、という雑音は全くの的外れ、全力で無視してください。
ただ、肌に傷が残ることに躊躇する気持ちもわかります。
「逆子を治したい」と相談に来られる。
そんな妊婦さんに、出来る限り応えたいと思っています。
逆子の治療は上記のツボにお灸をすえる以外に、他の治療も行います。
血行を良くして体を緩め、お母さんにも赤ちゃんも、居心地よくいられる時間を提供します。
東洋医学の知恵をぞんぶんに生かして、治療を行っています。
逆子に限らず、東洋医学で妊婦さんのお役に立てることは他にもあります。
出産前の妊婦さんには、お灸が役に立ちます。
上記の「三陰交」は安産のツボ、お灸を行うと胎児が安定して大きくなります。
私自身も妊娠中、お灸をすえていました。
妊婦さん当人だけに限らず、ご主人や、娘さんのお母さんに相談されることもありますが、全力でお答えしています。
お灸について、知りたい場合はいつでもご相談くださいね。
妊娠、出産は人生の一大イベント。
母子ともに、少しでも安心してお産を迎えられるよう、お手伝いできれば幸いです。