インスタの“中指アルミ法”で咳が止まる?東洋医学の視点で検証
こんにちは、やすはら鍼灸院です。
夏本番!…のはずが、夏風邪でお悩みの方が増えています。
今年は百日咳の罹患数が非常に多いようですね。

ちなみに、インスタに「中指にアルミホイルを巻くと咳がおさまった」という投稿が載っていました。
投稿内容は、「手の中指・第一関節にアルミホイルを巻くと咳が止まった」というもの。
はっきり申し上げて、これで咳が止まるという科学的根拠はまったくありません。
手の中指・第一関節にあるツボは、心包経の「中衝(ちゅうしょう)」というツボ。

このツボは、東洋医学でいう“心”、つまり心臓の働きをサポートし、精神を落ち着かせる作用があるとされています。
しかし、咳に直接効くという記述は、少なくとも古典・現代の東洋医学の文献には見当たりません。
おまじないのようなものでしょうか?
あるいは、たまたまタイミングが合って楽になったのかもしれません。
咳に効くとされるツボは、指先ではなく、背中・のど・肺のまわりに多くあります。
しかし、背中や肺のツボは自分で押すのが難しいですよね。
咳が続くときは、背中にシップをはるなどして、筋肉を和らげるのもおススメです。
ツボはスイッチのように「押せば即効!」というものではありません。
あくまで不快感を和らげたり、体の緊張をゆるめるためのもの。
また、押しすぎると、かえって筋肉が硬くなったり、内出血を起こすことも。
「気持ちいい程度に、やさしく」が基本です。
咳を和らげる、セルフケア3選
咳をやわらげる方法は、ツボ押しだけではありません。
以下のようなセルフケアも試してみてください。
①休息と保温で体力回復を最優先に
夏の咳が長引く背景には、体力の低下があります。
そもそもの暑さや気温差で体力を消耗しますし、その上、夜にエアコンの中で休んでいるとカラダが冷えます。
そこから風邪を引くケースが多いのです。
なのでいつもより睡眠の環境に気を配り、、体を温めて休むことが第一歩です。

②足首まわりを温める
(せんねん灸さんのサイトからお借りしました)
このツボはカラダを温め、のどの痛みや咳を鎮める効果があるといわれます。
なので、咳やのどの痛みには、内くるぶしの周辺をあたためることがコツ。

就寝時、レッグウォーマーを着用したら、エアコンの乾燥による「のどの痛みが軽減した人もいます。
足をあたためることで、睡眠の質を上げる効果もありますので、暑さによる体力消耗をふせぐこともできます。
夏はくるぶし丈のアンクルソックスをはく機会がふえますが、咳が出るときは足首タイプがお勧め。
なるべく足首をひやさないことに集中しましょう。
③お腹を冷やさない
咳が出ている人で、以下の状態が当てはまる方は、お腹の温めをお勧めします。
・色白
・肌のきめがこまかい
・おなかを触ると冷えて汗ばんでいる
・皮膚がうすく、虫刺されは腫れが強い、残りやすい
・運動がややニガテ、汗をかくと息苦しくなる
このタイプは、東洋医学でいう「肺虚」。
夏は屋外と室内による熱と冷えのアンバランスで、咳がでやすくなります。
咳がでているときはショールを羽織る、お腹周りを保護するなど、冷やさない工夫が大事。
お腹を温めて内臓を保護し、体温をたもち、気血のめぐりを保護することが大事です。
まとめ:とまらない咳、薬以外のサポートもおススメです
では、まとめます。
夏の咳がつづいているときは、おまじないにたよるのではなく、以下がおススメです。
・思っているより疲れています、体力を回復することに集中しましょう
・足元とお腹のあたためを忘れずに
・睡眠環境は大事、しっかり眠って回復しましょう
長引く咳は、「そのうち治る」と放っておくと、体力をどんどん消耗してしまいます。
ちょっとした工夫とセルフケアで、回復を早めていきましょう。
もしそれでも咳が止まらずお悩みの場合方は、違う方面からのアプローチも大事です。
咳が続く背中のつまりをほぐし、気がのどから胸の奥まで通るよう、循環を良くする方法もあります。
当院は、ハリとお灸でそのサポートをしています。

背中のお灸、咳がでているときは気持ちがいいですよ。
良かったら試してみませんか??